漁業の町「寄島」について
About Yorishima
古くから漁業の町として栄えている「寄島町」は、岡山県浅口市の南西部に位置します。
「寄島町」は、日本一の内海「瀬戸内海」と、岡山三大河川の一つ「高梁川」と、そして、自然豊かな「山々」がもたらす恵みの漁場によって、漁業が栄んな地域です。
昭和24年7月に寄島町漁業協同組合が設立され、寄島町は岡山有数の漁業の町としてさらに発展していきました。今や寄島漁港は県内有数の漁港として認知されるほどになり、約100隻の小型底引き網漁船が瀬戸内海で漁業を行っています。
寄島で獲れる代表的な魚は、春に「シャコ」、夏に「ハモ・コチ・マダイ」、秋冬に「ガザミ(ワタリガニ)」などがあります。特に「ガザミ(ワタリガニ)」は「寄島の魚」に選ばれるほどの代表的な水産物です。
また、寄島では「かき養殖」が非常に盛んで、「寄島かき」としてのブランドを確立しています。
「寄島かき」は全て、ぷりぷりの食感で濃厚な味わいが特徴の「バージンオイスター」であり、その味はプロの料理人をうならせるほどの質の高さを誇ります。
寄島町漁業協同組合では、「直売所」や、年1回開催している「よりしま海と魚の祭典」や「寄島かき祭り」などのイベントを通して、寄島の新鮮な魚介類を皆様に提供しています。
寄島の漁場について
About fishing grounds
寄島漁協の漁場は、東に位置する「上水島」から西に位置する「笠岡諸島」までの海域です。
この海域には多くの島があり漁礁に恵まれています。この海域の真中にある寄島は、昔から漁業の町として発展してきました。
寄島の漁場は、魚や貝のエサとなる植物プランクトンが豊富で、質の高い魚介類が多く育つことが特徴です。
実は、魚介類が栄養豊かに育つためには、「海の栄養」だけではなく「山の栄養」も不可欠です。
生物が成長するには、窒素・カリウム・鉄など様々な栄養成分が必要です。しかしながら、海中の栄養分の中で一つだけ不足する成分があります。それは「鉄」です。というのも、鉄はアルカリ性の海水に溶けこまないのです。
では、海は生物に足りない栄養分をどうやって補っているかというと、「川が山の栄養分を運んでくる」のです。山々の腐葉土の栄養が川に溶け込んで、川が海に流れ出ることによって、海はさらなる栄養を得るのです。
ちなみに、海に溶けない「鉄」は、山の腐葉土に存在するフミン酸と結合することによって、アルカリ性の海でも溶けこむ状態に変化します。つまり、海の恵み(魚介類)とは、厳密に言えば「山」と「川」と「海」の三者の恵みであるのです。
寄島の漁場を作っているのは、山は「浅口市の広大な山々」であり、川は「一級河川の高梁川」であり、海は「日本最大の内海である瀬戸内海」です。これらの3つの大きな自然が、栄養豊富な「寄島の漁場」を作っています。
さらに、寄島近海の遠浅は潮の干満差が大きく水代わりが良いことから、良質の牡蠣が育つ環境を作ってくれます。ちなみに、「他の牡蠣産地の海域」と「寄島かきの海域」を比べると、場所によって「寄島かきの海域」は、植物プランクトンの量において2倍以上の差が見られるほど栄養豊かです。それほどまでに寄島の漁場は栄養豊富ですから、日々良質な魚が水揚げされ、ふっくらと身が太っている大粒のおいしい牡蠣を養殖することができるのです。
寄島町漁業協同組合SDGsの活動
Activities of SDGs
SDGsの活動
寄島町漁業協同組合は『14【海洋資源】持続可能な開発のために、海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する。』という目標を支持しています。つまり「海の豊かさを守ろう」というのが「SDGs.14」の目標ということです。具体的には「漁業従事者の雇用を守る」「サンゴ礁壊滅の危機を食い止める」「海洋資源の持続可能な利用でいまだ貧しい島国の経済的利益を増大させる」「プラスチックごみの廃棄や漁業の乱獲による海洋資源や生物の減少を食い止める」という目的が推奨されてます。
寄島町漁業協同組合は、いつまでも続く豊かで美しい海を目標に掲げ取組みを行っています。
アマモの再生活動
寄島町漁業協同組合では5年前からアマモ場の再生に尽力してます。アマモが一帯に生えたアマモ場は、産卵場やすみか求めて様々な魚たちが集まることから「海のゆりかご」と呼ばれてます。アマモは光合成で二酸化炭素を吸収し、酸素を供給します。更に夏場には成長した葉が、海の中で木陰のように日差しを遮り、海水温度の上昇を防いでくれます。寄島町漁業協同組合ではアマモの種まきを行い、アマモ場再生による、豊かな海が作られていくことを願っています。
海中のゴミ回収
寄島町漁業協同組合では牡蠣水揚げ終了後、牡蠣筏を移動し、筏の下に落ちた落ち牡蠣を底びき網で回収してます。落ち牡蠣をそのままにしていると牡蠣は死に、海が汚れ、漁場が悪くなります。持続的漁業を行うために各生産者が必ず落ち牡蠣を回収します。 また、底引き網でのプラスチックゴミや家庭ゴミの回収、違法廃棄物などの処理を行っています。タイヤや自転車など、「こんなものまで!?」といったゴミが引き上げられることもあります。
リサイクル・再利用
寄島町漁業協同組合では牡蠣の選別したあとにでるカキ殻が大漁に出ます。その剥き殻は焼いて粉砕し、鳥の飼料になり、農地のカルシウム剤として再利用されています。底引き網で回収されたプラスチックゴミも、リサイクルできるゴミは再利用できるものとして処理を行っております。